今の世界で最も背の高い動物であるキリンはサハラ砂漠以南のアフリカに分布し、なかでも木の葉模様を持つマサイキリン(ケニヤ、タンザニア産)が最大である。雄は肩の高さ3m、頭(角の先端)までだと5mになる。また体は細長いが、体重も陸上ではゾウ、カバ、サイに次いで重く1トンくらいある。1959〜1969年までイギリスのチェスター動物園に飼われていたジョージという名の雄は6歳の時に高さ5.5mに達し、翌年、成長が止まったときには角の先端が高さ6.1mの(キリン舎の)天井に届いた。(Mark Carwardine, 1995)
| 高さ(cm) | 場 所 | ハンター |
|---|---|---|
| 587 | ケニヤ(20世紀初頭) | Caswell |
| 579 | ケニヤ | Holwood |
| 578 | 南アフリカ。剥製がニューヨーク自然史博物館に展示されている。 | Henry Bryden |
| 567 | モザンビーク | F. Vaughan Kirby |
| 564 | ケニヤ | Hall |
| 549 | 南西アフリカ。肩の高さ366cm | Cornwallis Harris |
| 533 | 南アフリカ。剥製がケープの Kaffrarian 博物館にある。 | − |
| 527 | ローデシア | Edouard Foa |
| 526 | ケニヤ。肩の高さ333cm | Powell-Cotton |
| 526 | ケニヤ。体長391cm | Kermit Roosevelt |
| 523 | ケニヤ。体長406cm | Theodore Roosevelt |
| 518 | アンゴラ。肩の高さ295cm | F. C. Selous |
雌は雄よりも小さく、高さ4.2m、体重550kgくらいである。最も背の高い記録は513cmで1917年に Henry Bryden がボツワナで射殺した。
また飼育下では1934年にケニヤからイギリスの Whipsnade 動物園に到着した Rosie という雌で、約5.2mに達したといわれる。(Wood, 1982)
2頭の雌ライオンがキリンを仕留めたが、1頭が倒れてきたキリンの下敷きに…ライオンはキリンを襲う時にはその頚を狙う。そして咽に食いついて倒そうとするのだが、この時にキリンの下敷になって死ぬことがある(Taylor, 1999)。 キリンは主に蹴りによってライオンに反撃するが、キリン同士の戦いでは首をぶつけ合うことが多い。クルーガー国立公園で観察された例では、首の一撃を受けた一方の雄が20分ほども気絶していたことがある。やはりクルーガーで死に至った例もあり、死んだ雄は第一頸骨が砕かれ、耳のすぐ後に角による穴があった(G. W. Frame, 1976)。 |
キリンの主な敵はライオンである。ライオンはキリンの首を狙って飛びつき、強力な牙と爪を使って引き倒す。グッギィスベルク(1961)はケニヤで案内人にキリンの骨を見せられて、それが年老いたライオンに殺されたのだと聞いた。オードリー・ムーアはセレンゲティでは雄ライオンがキリンをよく襲うといっている。 あるときライオンがキリンの群を攻撃した。逃げ足の遅い子供がいて、母親キリンが後ろを守って走った。ライオンが接近してくると、母親は子を脚の間に入れてライオンと向い合い、ライオンの動きに連れてキリンも回り、前脚で蹴りつけ、遂に追い払ってしまった。 シャラー(1972)はライオンがキリンを狙うところを10回観察したがどれも成功しなかったそうだ。一度1頭の雌ライオンがキリンに突進したとき、キリンは後脚で立ち上がり、めちゃくちゃに蹴りつけたので、ライオンは引き下がった。しかしライオンに殺されたキリンの死体も5回見つけており、それらはいずれも尻に爪跡があり、喉を引き裂かれていた。 南アフリカの野生動物保護区で、あるゲーム・ワーデン(監視員)はライオンがキリンを襲うところを見た。ライオンはキリンの背中へジャンプしたが、失敗して着地したところを両足で蹴られてあっさり死んでしまった。ライオンの肋骨はほとんどが折れていた。 おとなのキリンにとってヒョウはたいした相手ではない。しかしナイロビで雄のキリンが頭をもたげて木の枝を覗き込んだところ、そこで眠っていたヒョウがキリンの首に飛び掛った。そしてキリンが死ぬまで放さなかった(G. W. Frame, 1976)。 |